このゲームが実際のところ、どれだけ売り上げたのかは定かではないが、爆発的大ヒットとまではいかなかったようだ。その理由として考えられる一つは、プラットフォームの問題である。
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私がこのゲームをプレイして痛感したことの一つが「なぜMacintosh専用ゲームなんだ」ということだ。
当時のMacintoshにおいて画期的なゲームであるのに、Winodowsではとうてい無理な話であるから、これはまあしょうがないのかもしれない。が、やはり日本のMacintosh市場では潜在的ユーザーが少なすぎる。
もし、これが世界のMacintoshユーザーを相手にしたゲームであれば話は別である。サムライメックの怪しい世界観は、西洋から見た日本のイメージにぴったり! もし英語版が出荷されていたのなら、その反響はかなりのものであったはずだ。と思うのは私だけだろうか??
実はこんなことを、プロデューサーである田崎氏に直接話したことがある。
すると、当初の構想として、このゲームの輸出も考えてはいた。しかし、この膨大な内容を、翻訳および2バイト→1バイトにデータを作り直さないといけないため、コスト、手間とを考慮すると断念せざるを得なかった、というようなお返事を頂いた。
むう。やはりそう簡単にはいかないのか‥‥。
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現在、日本は圧倒的にWindows市場である。当時は脆弱であったシステムも、今ではほとんどMacintosh
と変わらない。現在のような環境で、両プラットフォームでサムライメックが出ていれば‥‥と、一ファンとしては悔しさを禁じ得ない。
また、家庭用ゲームとして開発されていたらどうなっただろう? この場合は根本的に、動く金の規模、人員、開発の仕方から変わってくるので、ゲーム自体全く違うものになっていただろう。少人数でも作ることが出来るパソコンゲームだからこそ、このサムライメックが実現したのだ。
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こんなファン心とは裏腹に、このサムライメックの根本には、「爆発的ヒット製品を生みだして、がっぽり儲ける‥‥つもりはない」というものがあったようだ。もっと違うところに目標がおかれていたのだ。
その点においては、素晴らしいゲームに仕上がり皆の胸に感銘を残した、という事実からして大成功を納めている。
このようなストイックな姿勢が、また一層ファン心理をくすぐるのである。
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