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サムライメックには、いろんな思い出があります。
何かのネタになるかもしれないので、覚えていることを五月雨式に書いてみますね。

まず、簡単に自己紹介させてください。
ぼくはむかし田崎社長と同じ会社でゲーム制作をしていましたが、そのあとその会社を辞め、ずっとフリーランスのゲームデザイナーとしてやってきました。
ゲームデザインを担当したものとしては、サムライメック以外では、MOTHER2がいちばん有名ですね。そのほかメジャーなものとしては、テトリス2+ボンブリスとか。あとポケモンカードゲームにも少しかかわりました。(発売できなかったけど、MOTHER3も作ってました)
一生フリーランスで働くつもりでしたが、去年、縁あってジニアス・ソノリティという会社の設立に参加しました。今はそこの企画室長として、任天堂プラットフォームのゲームソフトを開発しています。
ぼくが会社員になったなんて、田崎社長が聞いたらきっとびっくりすることでしょう。

サムライメックは、ぼくが森川さんに見せてもらった「江戸時代を舞台にしたSF」のスケッチから、始まりました。

最初の会社を辞めてフリーランスになったぼくは、同じく独立してヒューリンクスを設立した田崎社長から、海外PCゲームソフトの日本語版制作の仕事をさせてもらっていました。
いくつかゲームソフトを発売した後、いよいよオリジナルのゲームソフトを発売しよう、しかもMacintoshで、という話になり、ならばあの森川さんの江戸時代SFの設定を生かしたロールプレイングゲームしかない、と考えたわけです。

企画としてのウリは、インパクトのあるビジュアルと設定、戦っている二人がそれぞれ「体勢」を変えながら斬り合う「果たし合い」バトル、あらゆるものをパーツ化して組み立てる「メック」システムの三つでした。
その後シナリオ担当の野間口さんが非常に濃いシナリオを作ってくれるのですが、企画当初はそのことはまったく計算していませんでした。(野間口さん、ごめんね)

制作には長い時間がかかってしまい、ぼく個人も田崎社長を含めスタッフのみなさんにいろいろ迷惑をかけてしまった思いが強いです。(みなさん、ごめんなさい)
ただ、完成したものには、非常に満足しています。

「サムライメックII -天-」の制作の時には、同時並行で作業していたスーパーファミコン用ソフトの「MOTHER2」の製作が佳境に入ってしまい、スタッフのみなさんにはとんでもなく迷惑をかけてしまいました。
すこしでも帳尻を合わすために、MOTHER2終了後は、森川さんの事務所に泊まり込んで作業していたのを覚えています。そういえば、MOTHER2の完成記者発表のときにも、森川さんの事務所から直接出かけていって、みんなが発表会の後の打ち上げに楽しそうに向かっているのをしり目に、ふたたび戻ってきて作業を再開したんでした。

サムライメックシリーズの海外での展開ですが、いくつかの海外のパブリッシャーに対して、オファーをしていたと記憶しています。
田崎社長から、「Maxis(シムシティの会社です)が興味を持ってくれたが、現状ではシムシリーズ以外の展開ができないからといって断られた」との話を聞いたこともありました。
I だか II だか覚えていませんが、英語版の製作も途中までしていました。
英語もネイティブな日本人の方に翻訳をお願いしていたので、かなりいい感じの英訳になっていたんですよ。
昔風の言い回しを、英語文化圏での「古い言葉」としてラテン語ふうにしたり、東洋文化っぽい言葉をたくさん使ってみたり。
例えば:
「妖術機械」→「Magico Machine (マジコ・マキーネ)」
「なんてこったい!」→「Oh, my Budda!」(Oh, my Godじゃなくてね)

残念ながら英語版の製作や海外展開の話は、だんだんフェイドアウトしていっちゃったんですが。

それから、マウスを効果的に使ったバトルのインターフェイスは、プログラムを担当してくれた松原さんの発案です。ぼくはコマンド選択を想定していました。
あのインターフェイスは当時画期的でした。おかげで、あのバトルがアクションゲームになっていると勘違いする人までいたくらいです。

メックパーツのアイコンは、ぼくがワルノリして作りました。
仕様書ばっかり書いてると、あーゆーデザインっぽいことってとても気分転換になるんです。

なんだかいろんなことを思い出してしまい、とりとめなくなってしまいました。このへんでやめます。

それではお元気で。
ホームページの管理は大変でしょうが、がんばってください。

  

※レイアウトは変えていますが、頂いたメールのほぼ原文のまま掲載しています。
※内容は2003年2月現在のものです。


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